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環境省裏磐梯自然保護官事務所
レンジャー/自然保護官 黒江隆太さん(首席国立公園保護管理企画官)
北塩原村の広いエリアが、磐梯朝日国立公園に指定されています。そして裏磐梯には、環境省の「裏磐梯自然保護官事務所」があります。ここでは、主に福島県側の国立公園を守る方々が日々常駐され、様々な活動に取り組んでいます。現在は、職員3名とアクティブレンジャー2名体制で運営しています。
主な仕事は、「国立公園の各種許認可に関する仕事」、「自然景観の保護のための調査や巡視」、「利用のための施設の整備と管理運営」、「美化清掃のための作業」、「自然とのふれあいの推進」と多岐にわたります。
国立公園内に点在する施設も、ビジターセンターをはじめ、環境省の施設がいくつもあります。
自然環境の保全や利用環境の上質化のため、地域住民の方々や民間団体などと連携した取組を行っています。
その中で、活動が多岐にわたり、福島・山形2県にまたがる広域なエリアを管轄して国立公園の自然景観や自然環境の保護に関する仕事をされているのがレンジャー(自然保護官)になります。
裏磐梯でレンジャーとして活躍されている、黒江隆太さんに話を伺いました。
■今までの経緯を教えてください。
出身は愛知県で、環境省に入省後、環境省関東地方環境事務所から本省勤務を経て、阿寒摩周国立公園、上信越高原国立公園、小笠原国立公園を歴任し、2021年春に磐梯朝日国立公園を管轄する裏磐梯自然保護官事務所へ家族とともに来ました。
こちらにきて、残念なのはコロナ禍で地域の行事に参加できないことです。環境省の現場の仕事は、地域の人たちとの交流が大切な事柄のひとつで、それが地域に着任しての一番の楽しみでもあります。コロナ禍で、なかなかできなかったので残念でした。
■裏磐梯の魅力について
日本各地の国立公園をみてきましたが、ここは、その縮図のような魅力の詰まったエリアです。磐梯山をはじめとする、噴火口や湖沼群、高原、湿原、温泉と様々な顔をもっている稀に見る景勝地で、季節により顔が変わるのも魅力的です。これまで関わった国立公園とも似たような表情を持っており、磐梯山は浅間山、浄土平は草津白根山、猪苗代湖は屈斜路湖、雄国沼は尾瀬のようです。
レンジャー目線でお勧めする場所は、お隣の米沢に抜ける西吾妻スカイバレーの駐車場から見た西吾妻山方面の森林の景観が一番魅力的に感じるところです。低層はブナの森、中層はオオシラビソの森、高層は荒原植生の3層からなる山肌が、季節ごとに変わる景観をみられる場所はたいへん貴重で、この国立公園を特徴付ける景観です。また、雄大な磐梯山の山頂から見る猪苗代湖は、そのスケール感の大きさに圧倒され、まさに宝の山を感じます。
■今後の活動について
この地域は、自然豊かなのですが、子ども達が遊べる環境があまりありません。ビジターセンターのリニューアル工事を予定しているので、今後はセンター内だけでなく屋外のエリアも子ども達が自由に遊びながら自然体験できる場を設け、北塩原村の施設と連携した上質な空間を提供できる場所を作っていきたいと考えています。
コロナも明け落ち着いてきたので、自然保護や環境について、地域の方々といろいろな交流ができればと思っています。ぜひ、裏磐梯自然保護官事務所へ気軽に立ち寄ってください。
磐梯朝日国立公園